−「ひとり語り」1)林さんが2001年から続けている公演シリーズ。松本清張、芥川龍之介からチェーホフや川上弘美まで、多彩な作家の短編小説を1人で朗読する。7月3日(水)に津市栄町の「塔世山 四天王寺」本堂で、三重公演を開催。四天王寺は聖徳太子の建立と伝えられる由緒ある寺で、このインタビューも同所で行われた。は小説を読むというスタイルのお芝居ですけど、林さんご自身、以前から読むことは好きだったんですか。
林:本を読むのは好きでした。ただ、声を出して読むことはやってなかった。1番最初は何だったのかな。世弥さん3)林さんと親交のある女優、世弥きくよさん。プロデュース公演や演劇教室、朗読教室などを多数手掛けている。のやつかもしれない。世弥さんプロデュースの舞台で「夢十夜」の「第一夜」2)夏目漱石の短編小説。幻想的で怪奇な風景を、十夜にわたりつづる。「こんな夢を見た」の書き出しで始まる第一夜は、別れた女が白いユリとなって再生する物語。を読ませてもらったんですよ。
−夏目漱石の。
林:たぶん人前で声を出して読んだのは、あれが初めてじゃないかと。小説を1本読む、っていう。それがね、面白かった。
−ええ。
林:その前から、役者の訓練としてワークショップへ行ったり、本を読んだりして自分なりに勉強してたんですよ。声を何とかしたくて。自分の声が嫌いで、発声やせりふ回しを良くしたかったから。そこで学んできたことと、実際に読んで感じたことが合致したんです。「声は面白い」っていうか「言葉を読むって、こんなに面白いのか」と思った。
−実践できたんですね。
林:それともう1つ、白石加代子さんの「百物語」4)舞台女優、白石加代子さんが長年取り組んでいる、恐怖をテーマにした朗読劇。を見たんです。ちょうど、うちの劇団も年に1回ぐらいしか公演をしなくなって、マキノたち5)林さんが活躍していた「劇団M.O.P.」のこと。演出家・脚本家・劇作家のマキノノゾミさんが主宰を務め、キムラ緑子さん、三上市朗さん、小市慢太郎さんらが所属していた。2010年に惜しまれながら解散。が東京に行ってしまって。「関西に残った私は、どうすればいいのかなぁ」と思っていた時期で。集団を組んで舞台をやるのはしんどいし、出たい作品にすぐ巡り合えるかっていうと、そうでもない。それで自分だけで小さくできることを探していて。で、白石さんのを聞いて「これは役者のやることなのだな」と思ったんです。アナウンサーがやる朗読とかじゃなく、役者のやることとして、舞台作品になると思った。
−なるほど
林:それで始めたんです。ちょうどその頃、自分がボイスのワークショップを受けたり、学校で教える仕事6)林さんは、大阪アニメータ学院声優タレント科や劇団ひまわり俳優養成所などで講師を務め、若手の育成に力を注いでいる。を始めたりしていて。「習って、実践して」っていうサイクルが出来上がった。「言葉というものが、ドラマを展開させるのにちゃんと寄与してる」っていうあり方が、俳優のやるべきことだと。技術じゃなくね。それだけで演劇になる、俳優1人いれば演劇が生み出せるっていうことが実感できて、それでずっと続けている感じです。
−「ひとり語り」を始めて、どれくらいになりますか。
林:2001年からで13年目ですね。
−やり方は変わらないんですか。
林:最初にやったのが西陣ファクトリーGarden7)京都市上京区にあるアートスペース。西陣織のネクタイ工場だった町家を、ギャラリーや舞台スペースとして活用している。だったんですけど、その時は美術と音響と照明を頼んでいました。
−じゃあ最初は割とかっちり、舞台スタッフが入って、
林:そういうものがないと成立しにくい空間なので。2作品を組んでやってたんですけど、同じ美術で2本やるので、「今回こんなコンセプトで、こういう意図でこの2つを並べてやります」とか言うと、「ん」って言って美術を考えてくれる。で、私が1人で稽古して、ある時音響さんが聞きに来る。「こんなんなりました」って言ったら、「ん」って言って音が出来上がってくる。またそれ見てもらって、照明さんが「ん」って言って光を入れてくれる、という。私のやってることは、ただ稽古するだけ(笑)。そんな状態で作っていて、10年ぐらいやってたかな、西陣で。
−そこから発展していったんですね。
林:見に来てくれた人から「うちのリビングをそういうことに使いたいんだけど」とか「知り合いの喫茶店でやってくれませんか」とか言われて。装置のない所でもできるので、外でもやるようになったんです。大阪の無国籍料理屋さん8)大阪市北区の無国籍料理店「Aggi(アギー)」。林さんはチェーホフの「犬を連れた奥さん」などを披露した。
Aggiとか。その中で、美術はなくとも空間の空気感があれば、体ひとつでやれるな、ってことになった。岸和田市の五風荘という建物のお庭、いわゆる借景で山本周五郎をやった時なんかは、明かりがなかった。音は生で篠笛を入れてもらったんですけど。あと築30年の古いビルディングで「芋虫」9)江戸川乱歩の短編小説。乱歩作品の中でも特にエロティックでグロテスクな内容で知られる。をやった時は、夜に前の通りを走る車のヘッドライトが効果になったり、外から聞こえる雨の音が効果になったり。場所を選べば、体ひとつでできるんだなって。
−西陣ファクトリーGardenも、雨が強く降れば…。
林:外の音まる聞こえ(笑)。だから隣のお家に、お風呂に入る時間を配慮してもらって。
−そうすると、劇場みたいに音も光もシャットアウトされた場所じゃないところで、スタートしてるんですね。
林:そう。実際それが邪魔になることって、あんまりなくて。表で選挙演説が始まった時は、さすがに止めてもらいましたけど。人間の声と人間の声がぶつかるのは困るけど、生活音くらいなら何とかなるんですよ。
俳優が表現すべきこと
−当初から着物でやってるんですか。
林:そうです。まぁチェーホフとか川上弘美さんの作品なんかは違いますけど。
−これまで何作品ぐらい?
林:30本以上になりますね。
−選定は、林さんの独断なんですか?
林:ほぼ独断。最初は松本清張の「二階」をやってるんですけど、それは白石加代子さんが読んでたから。「これは読んでいい作品なんだ」と思って。で、2年目から2本立てにしたんです。1本は山本周五郎の「その木戸を通って」という、すごく面白い作品。それを何と組むか考えて、今度やらせてもらう芥川龍之介の「藪の中」と「袈裟と盛遠」10)7月3日(水)の「林英世 ひとり語り2013」三重公演では、芥川龍之介の「藪の中」と「袈裟と盛遠」を朗読する。にしたんです。何でかっていうと、山本周五郎はハートウォーミングな人情話でしょう。それと芥川龍之介っていう、頭の中で物語をひねり出す人のもの、対比があると面白いんじゃないかって。
−組み合わせも工夫してるんですね。
林:次の年は泉鏡花の「高野聖」と、明治時代ってことで樋口一葉。その次の年は「いつか向田邦子をやらにゃいかん」と思ってたので、チェーホフと合わせて。男女の作家で「目線の鋭い人」っていうことで。
−選択がすごい。今度は中島らも11)兵庫県出身の文化人。小説や戯曲、随筆などさまざまな分野で活躍した。2004年に死去。さんの。
林:そうです。中島らもさんをやろうと思ったのは、ご縁があって、らもさん関係のインタビューに行くことになって。それで、小堀さんっていう編集なさってる方に相談に行ったんです。
−小堀純さん12)関西圏で活躍する編集者・演劇評論家・演劇プロデューサー。
林:そう、いろいろ教えてもらおうと思って。そしたら「オレなぁ、英世にいっぺん、らもさん読んでほしいんやぁ」って言われたんですよ。ちょうど「ひとり語り」の形をいろいろ探りたいなと思ってたので、「それは面白いな、やってみよう」と。いろいろ考えて、いざ小堀さんに「らもさん読むんだけど」って言ったら、「あ、そうなの」って、すっかり忘れられてた(笑)。
それで「じゃあ協力するから」って、実現の運びに。いつも自分で読んで選ぶんですけど、長さで選ぶってのも基本あります。1時間ぐらいで読めるものを。それと私が読まなくてもいいものを読むこともないかなと思うから、私が読んだら「え、そういうことだったの?」って思ってもらえるものの方が面白いかな、とか。目で読むだけでは分からないけど、声にすると表に出てくることがいっぱいあるんじゃないかと。だから古い作品が多くなりますね。
−分かります。僕こないだパリで「三人姉妹」13)インタビュアーの油田は5月、フランス留学中の演出家、鳴海康平さん(第七劇場)を頼ってフランスへ旅行に行っていた。コメディ・フランセーズで上演されたチェーホフ作「三人姉妹」を観劇した。見たんです。言葉は分からないけど、日本で戯曲は読んでるから「たぶん、こういうことを言ってるんだろうな」ってのは分かる。で、いわゆるニュアンスなんでしょうね。しゃべるから、初めて「あのセリフは面白いセリフなんだ」って、フランス人の反応で分かるんですよ。日本で見てたらかしこまっちゃうと思うんですけど、フランスの人たちはすごく笑ってて。だから読んで想像する言葉の感覚と、発する言葉が伝えるニュアンスって違うなぁって思いました。
林:同じ言葉でも「誰が、どこで、なぜそれを言ったのか」によって意味合いが変わったりするじゃないですか。でも黙読だと、その意味だけを追っていくんだよね。けど声にするっていうのは意味を伝えることじゃなくて、「その言葉が、何のためにそこに吐かれたのか」ってことを意味付ける。その確信犯じゃなきゃダメなんです。だから私が「この小説をいかに読んだか」ということの確信犯でなきゃいけない。俳優の仕事って、そういうものだと思うんですよ。そこに「絶対的な今の瞬間の意味合い」を提出していくというか。
−発声する人の意図が加わるんですね。
林:そして、それをやるのに“声”というのは最も大事なものなんだけど、今の俳優さんはそこが置き去りで、顔とかノリとかで伝わると思っている。でもそれは感覚を共有してる同時代人に甘えただけの話で、確信犯としての表現者にはなりえない。もっと声で表現できる可能性が人間の体にはあるし、探究すればより面白いものを作れると思うんです。
作品に導かれた未知の自分
−でも一方で「ひとり語り」って、やっぱり“見る”ものですよね。もちろん林さんは“読む”ってことに向き合ってらっしゃるんですけど、だからって客席で目を閉じて“聞く”のはもったいない。
林:ライブで私が読むということは、全てが見世物になるということ。だから着物も着るし、時には動く。それがエンターテインメントとして必要なら。「朗読なんだから、これはしちゃいけない」とか言われることがあるけど、そんなのはどうでもいい。俳優としてやってて、体が「そうした方がいい」って言ったことは、やる。あらゆる要素を動員して。
−1人で何役もやると、結構大変じゃないですか。「藪の中」なんて。
林:うん、いっぱい出てくる。
−すごいですよね。「ああいうのもやるんだ」と思って。
林:2年目に「藪の中」をやった時にね、亡霊のシーンで、初めて出すような声が出たんですよ。「あ、すごいな。私からこんな声が出るんだー」って。で、その時に思ったんです。「作品が要求することに付いていけば、私の持ってるものは開かれていくのかなぁ」と。作品を使って、私を開発していただけるというか。私が1人でやっても無理なんだけど、作品が大きいから、その作品に取り組むだけで自分が広がる。「なんてありがたいのだ」と思って。それはね、芝居をする時も同じなんです。役というものがあると、私が開発される。自分から遠い役であればあるほど。それを楽しんでいけたらいいなぁと。山本周五郎なんか、男も女もおじいちゃんも子どもも全部やるけど、それはそれで面白い。
−1人でなく、誰かと一緒にやろうとは思わないんですか。
林:今のところ、特には思わないですね。1人でやるっていうのもね、俳優って何をする人なのか、いまいち分からないじゃないですか、規定がないし。「お芝居をやっています」っていうところから「俳優です」っていうところに、どうやったらいけるのか…。私なかなか「自分は俳優です」って言いきれなかった。それでワークショップを受けたりするうちに、「俳優って育てられるんだなぁ」って気付いた。その「俳優の1人として育っていくことができる」っていうのを確認したいとか、示したいとかいう部分があったんだと思う。「みんなよく簡単に俳優になれるなあ」とか思ってたから。タイプとして、私は天才じゃないし天然のものがないから、「自分を育てていく」「なっていく」っていう方法があるなら「なっていってみたい」って。それに1人でやった分、人とやるのも面白くなってくるんですよね。自分で自分のことが分かってくると、人ともうまく受けたり掛けたりできるようになる。
−まずは自分自身を鍛えようと。
林:もともとスポーツでも、団体競技より「ただ泳ぐ」とか「ただ走る」とかの方が好きなので。「勝負はどうでもいいんです。自分さえ鍛えられれば」って。もちろん鍛えた力は外で使いますけど。バレーボールとかダメなんですよ、テニスとか。「何でボールを取りに行かなきゃいけないんだ」みたいな。「(ボールが)行きたいなら、そっちへ行かせといてやれよ」とか思っちゃう。それより1人で「手の角度、この方がもっと速くなるかな」とか思ってる方が好きなんです。体質ですね。「職人技」みたいなのが好きなんです。
作家が託した意味を解く
−13年で自分が変わったなとか、発見したなっていうことはありますか。読むという作業をしなければ、気付かなかったこととか。
林:地の文も読むでしょう。地の文ってただの説明ではない場合もあって、そこに作者がその物事を見ている角度や距離感が入っていたりする。それも読みたくなる。その距離感や物の見方を、肯定的に見るのか否定的に見るのかを、声はやれるんですね。論理的な、非常に説明的なことでも、声がやれるんですよ。例えば1人で2役やってるとして、前に向かい合ってるのか横に並んでるのかで全然違ったり。そんなこと全部を芝居のセリフに生かせたら、1つ1つの言葉を無駄にせず、ドラマの進行に役立たせることができる。「声ってこんなにいろんなことができるんだ」っていうのは、私がM.O.P.でもらう役だけでは気付かなかったと思うんです。
−可能性が広がったというか。
林:今なのか過去なのか、頭なのか心なのか腹なのか。全て声は表現できる。その人間の状態そのものを、声は外に連れ出すことができる。身体に起こっている変化全てを、声に乗せてしゃべりたいと思うようになった。
−台本の読み方も変わりましたか。
林:ずいぶん変わったかも。“読め方”かな。「言葉と作家」っていうものについても、考えるようになった。作家がなぜここにその言葉を置いたのか、絶対に意味はあるって思うようになった。意味が腹に落ちてくると、セリフも入りやすくなるし。
−ちなみに「読み会」14)「津あけぼの座」が2010年から開催。文学の名作や古典を俳優が舞台上で「よむ」ことで、新たな表現を模索している。で太宰やる時にちょっと迷うんですけど、句読点ってどうされてますか。
林:そのままはやりません。参考にはしますが。句読点は書き言葉のためのものだと思っていて、しゃべることとは切り離されている。
−太宰たくさんありますよね、句読点。
林:あれをそのまましゃべると、おかしいんですよ。ただ、なぜ打ちたくなるかっていうと「この言葉にちゃんと意識を置きたいんだな」とは思う。あと例えば「何々だが、」って書いてあるのを「何々だ、が」にしたりはします。その方がドラマチックだし、分かりやすいから。国語的に読むと「何々だが、何々だが、」ってなるんだけど、活字では表現できないものもあるから、それを声がやってあげないと、って。
−今回、読み会でご今日の「葉桜と魔笛」15)林さんはインタビュー当日の5月29日夜、「読み会」第十四夜に出演。太宰治の「葉桜と魔笛」を朗読した。婦人が若き日を回顧し、病床の妹とのやりとりを振り返る内容。は、初演ではないですよね。
林:初演です!
−あら、何かすみません。こんなワンコインの催しのために…。失礼な話ですよね。
林:いやいや。
−僕、自信あるんですよ。英世さんが「葉桜…」やったら、絶対面白いって。
林:でも難しい。
−不思議な終わり方ですよね。真実がどこにあるのか分からないまま終わっていく。
林:やってるとね、作家に会いに行くような気がするんですよ。「やっぱり、こういう人だったんだ」って思ったり。それも1つ発見でしたね。芥川を最初の頃にやったから、「いかに頭で読むか」みたいな。頭の中をずーっと見続ける、みたいな読み方をする。だから小説とはいえ「言葉というのは、本当に人間そのものなのだな」と思うし、「人間というものは、自分というものを隠してなぞいられないのだな」と思う。何をやっても、隠しているようで全然隠せない。そういうこともすごく思いました。だから、そういう作家の作品をやりたいんですよね。なんかその人の、その人だからこそ書かなきゃならなかった作品を書いている人たちっているじゃないですか。時代とかに要請されて。
−「林英世ひとり語り2013」三重公演の会場はここ四天王寺ですけど、この本尊の前で「藪の中」と「袈裟と盛遠」をやるって、スゴイですよね。作品の内容からして16)「藪の中」は殺人や強姦、「袈裟と盛遠」は不倫や復讐をテーマにしている。。ミスマッチというか、「いいのか本当に!?」みたいな。
林:けっこうドロドロの話ですもんね。
−どっちもね。
林:あの盛遠って、なんとか上人17)文覚(もんがく)上人。「袈裟と盛遠」の主人公、武士の遠藤盛遠は、19歳で出家し真言宗の僧となった。になるんだよね、その後改心して。私、広島の庄原市に知り合いがいて、彼の最期の地と言われてるそうなんですけど。そこにあるお寺の本堂を改築するから、「袈裟と盛遠」をやってもらえませんかって言われて。結局日程が合わなかったんですけど、でも上人になってからの話ならいいけど、その前のダメ人間時代の話だけどいいのかな、と思って。
−お寺の本堂でやるのは初めてですか。
林:ここまで大きくはないけど、京都にある塔頭のお座敷ではやったことあります。ご本尊背負って、というのはないですね。今回は、がっつり背負おうと思ってます。
−100人は入れるそうなので。
林:えーっ。ぜひたくさん見に来ていただきたいです。1時間しゃべり続けるのって、正直しんどいんですよ。「何でこんなに長くやってんだろ」とか思うんだけど、「また来ます」「またやってくださいね」って言われると、「やんなきゃ!」と思います。
−今後はどんな予定ですか。
林:中島らもさんになります、夏はずっと18)「林英世 ひとり語り2013」三重公演の後は、「中島らも短編集」がスタート。7月に大阪公演、8月に東京公演と「夏の特別編~料理とお酒と怖い話~」と題した地元、岸和田での公演を行う。
−大阪、東京ですよね。
林:岸和田でもやります。
−進化する「ひとり語り」、今後も注目していきます。ありがとうございました。
〔エディターから〕
「ぱふぉ」初の女性ゲストとしてご登場いただいた林英世さん。新緑の古刹に映える凛とした着物姿が印象的でした。語り口は軽やかで柔らか。お話からは、俳優として言葉や声と真摯に向き合う姿勢や、常に前進しようという志が伝わってきます。時折飛び出す「あはははっ」という笑い声や「なんつって」というお茶目な発言は、関西人ならでは(?)。確固とした役者魂と親しみやすい人柄、女も惚れる素敵な女優さんです。夜の「読み会」も最高! 語り出した途端、劇場中が小説の世界に吸い込まれたようでした。
撮影:松原豊(Office369番地)
構成:脇ふみ子
インタビュアー:油田晃(特定非営利活動法人パフォーミングアーツネットワークみえ)